通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

光干渉断層画像を用いた機械学習での冠動脈疾患患者の予後予測

光干渉断層画像を用いた機械学習での冠動脈疾患患者の予後予測

1.研究の対象

2016 年4 月以降2023 年3 月までにPCI(経皮的冠動脈形成術)を施行した症例のうち、光干渉断層法(OCT)による冠動脈の観察が実施された症例を対象とする。

2.研究目的

薬剤溶出性ステントの進化によって、経皮的冠動脈形成術(PCI)は安定した成績が得られるようになったが,多枝病変例や糖尿病合併例、急性冠症候群等の複雑病変では冠動脈バイパス術に匹敵する臨床成績が示されていない。一方で、日本循環器学会のガイドラインにおいて、血管内イメージングガイドによるPCI が推奨されているが、その中でも光干渉断層(OCT)は血管内超音波(IVUS)よりも高解像度であり、詳細に冠動脈内を観察できる。しかしながら、冠動脈イメージングを使用したステント治療の最適化はまだまだ一定の見解が得られておらず、新しい評価方法や指標が、ステント治療の最適化や予後の改善のために必要とされている。また、近年、ディープラーニング等の機械学習による画像解析技術の進歩は著しく、眼科領域で、OCT 画像を含む医用画像への応用も進んでいる。OCT が持つ高解像度画像を人の眼で解析するには限界があり、現段階では人工知能(AI)による機械学習、ディープラーニングを用いることによって新しい知見、評価方法を解明することができる可能性が非常に高いが、OCT を含めた冠動脈イメージングの機械学習、ディープラーニングによる解析の報告はまだ無く、今後の冠動脈イメージングの発展、PCI の予後の改善のために、AIによる機械学習を使用することは不可欠であると考える。本研究の主要目的は、ステント留置1 年後の臨床予後に影響する、PCI 時前後OCT 所見を機械学習によって見つけることである。

3.研究方法

PCI(経皮的冠動脈形成術)を施行した症例のうち、光干渉断層法(OCT)による冠動脈の観察が実施された患者様のOCT 画像を機械学習で評価し、ステント再狭窄に関連する因子の解析を行う。

4.個人情報の取り扱い

患者さんの診療情報のなかに含まれる、お名前、生年月日、カルテ番号、住所、電話番号等、ご本人を特定しうる個人情報については、匿名化を行い、情報が外部に漏れないように厳重に管理、保管します。また、研究成果が公表される場合にも、患者さんが特定されないように取り扱います。

5.研究組織

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
研究責任者 中村大輔 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学 特任助教
関西労災病院 循環器内科 石原隆行
大阪労災病院 循環器内科 岡本直高
大阪急性期・総合医療センター 心臓内科 菊池篤志

6.お問い合わせ先

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
中村 大輔
TEL 06-6816-3190

7.研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法

本研究の対象患者さんは、上記問い合わせ先に連絡することによっていつでも本研究への参加を拒否することが可能です。

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