通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

大阪急性冠症候群研究会データを用いた急性心筋梗塞の網羅的疫学研究

大阪急性冠症候群研究会データを用いた急性心筋梗塞の網羅的疫学研究

 

研究概要

 急性心筋梗塞は高血圧症や糖尿病、高コレステロール血症等の生活習慣病に伴い動脈硬化が進むことによって心臓の血管(冠動脈)が閉塞し、血流が十分に行き渡らなくなることで心臓の一部が壊死してしまい、時に心臓の機能不全に陥る病気です。近年生活習慣が欧米化し、それに伴い日本における心筋梗塞患者さんの数も増加傾向にあります。
 大阪急性冠症候群研究会(Osaka Acute Coronary Insufficiency Study, OACIS)は、1998年より大阪大学が中心となり阪神圏の24病院が参加して開始された急性心筋梗塞について詳しく調査を行う研究です。 OACISでは、主に心筋梗塞の発症に関係する遺伝子に注目して研究が行なわれてきました。その他、急性心筋梗塞の頻度や、適切な治療方法等に関しても様々なデータを収集し、研究を行ってきました。この研究には2014年4月までに、12,141人の患者さんに協力して頂いています。このOACIS研究を通じて、心筋梗塞の患者さんが将来どのような経過をたどるかや、よりよい治療が他にないかどうかについてはさらに検討する余地があることがわかりました。したがって、このOACISで蓄積された遺伝情報以外の調査項目(血液検査、画像検査、入院および外来通院歴など)を使って、急性心筋梗塞や心筋梗塞後の予後についてさらに詳しく検討していくことで、心筋梗塞後の患者さんの予後を予測する因子を見つけたり、より効果的な治療について検討し、心筋梗塞の医療に貢献していくことを目指しています。

対象症例

 1998年から2014年の間にOACISに登録された急性心筋梗塞12141症例

研究機関名/研究責任者

 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
(研究責任者:坂田泰史 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座教授)

研究目的

 OACISで蓄積された遺伝情報以外の調査項目を使って、急性心筋梗塞や心筋梗塞後の予後についてさらに詳しく検討していくことで、心筋梗塞後の患者さんの予後を予測する因子を見つけたり、より効果的な治療について検討し、心筋梗塞の医療に貢献していくこと。

研究方法

 OACISの遺伝情報を除く調査項目を利用し、様々な統計学的方法を使って病気の予後規定因子や、治療効果の推定等を行う。

研究の意義

 OACIS登録データを様々な方法で分析することで、急性心筋梗塞患者さんについての新たな知見が得られ、それらを用いて医学的な教育、啓蒙活動を行うとともに、新たな治療法開発への手がかりとすることで患者さんがより健康でいられるように貢献できるようになることが期待される。

個人情報の扱い

 患者さんから得られた調査情報に関しては、各施設において、ご本人を特定できないようにしますので、個人情報として取り扱いません(連結不可能匿名化)。

本研究に関する代表連絡先

 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
 TEL 06-6879-3638

研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法

 大阪大学における対象患者さんは上記問い合わせ先に連絡することによって本研究への参加を拒否することが可能です。なお、2015年4月15日以降はご希望に沿えませんのでご了承ください。その他の施設においてOACISにご協力頂きました患者様に関しましては、本研究では個人を特定できないようにデータ化しているため、研究参加に拒否の表明をいただいたとしても、ご希望に添えないことをご了承ください。

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