通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

循環器疾患患者由来iPS細胞を用いた病態解明ならびに新規医療技術開発研究

更新日:2024.03.21

研究の目的・概要

これまでに、心不全をはじめとする循環器の病気に対して多くの研究が行われてきましたが、ヒトに起きる病気にはまだまだ分からないことがあります。これまでの研究は、主にマウスやラット等のモデル動物を用いて行われてきましたが、ヒトの病気を解明するためには、「ヒトの心筋細胞」を用いて研究を行う必要があります。本研究は、iPS細胞技術を用いて、ヒトの病気の特徴を有した心筋細胞を作製し、研究開発を行うことを目的とします。対象は、大阪大学医学部附属病院で診療を受けられている心筋症、心不全、不整脈、肺高血圧症などの患者さんです。研究内容を説明の上、同意を頂いた患者さんから血液を採取し、iPS細胞を作製します。作製したiPS細胞を心筋細胞などに分化させ、病気の解明、治療法の開発を目指します。

研究実施予定期間

2016年2月24日~2029年3月31日

研究の方法

通常の採血と同様の方法で血液を採取し、そこから分離した細胞に対して初期化因子という遺伝子を導入することでiPS細胞を作成します。作成したiPS細胞は、個人情報を削除した上で特定のIDによって管理されます。iPS細胞に特定の刺激を加えることで心筋細胞に分化させ、様々な解析を行います。病気に対する研究を更に進めるため、この研究で作られたiPS細胞は、理化学研究所などが運営するバイオリソースセンターに寄託し、日本や海外の研究機関で広く利用させていただく可能性があります。
また、過去に適切な倫理委員会の承認を受けた研究(iPS細胞を用いた難治性循環器疾患の病態解明および治療法開発研究)で作成・保管された試料も本研究において利用させていただきます。

研究組織

大阪大学大学院医学系研究科
循環器内科学、重症心不全内科治療学共同研究講座、心血管再生医学共同研究講座、心臓血管外科学、最先端再生医療学共同研究講座、医療情報学、感染症・免疫学講座ウイルス学、感染制御学講座、小児科学
大阪大学大学院生命機能研究科
医化学

共同研究機関

京都大学iPS細胞研究所
理化学研究所生命システム研究センター
大阪大学大学院・基礎工学研究科
大日本印刷株式会社研究開発センター
金沢大学循環器内科
大阪大学微生物病研究所
大阪大学大学院生命機能研究科
大阪大学大学院 薬学研究科
国立循環器病研究センター
東京大学医学部附属病院 循環器内科

研究責任者

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座 教授 坂田泰史

お問い合わせ先

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学
講師 肥後修一朗
大阪府吹田市山田丘2-2 TEL 06-6879-3636

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