通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

持続性心房細動症例に対して追加通電の有無が心房細動再発に及ぼす影響に関する研究の長期予後の検討

研究概要

発作性心房細動については、肺静脈からの異所性興奮が引き金となり発症することが明らかになり、カテーテルアブレーションによる肺静脈隔離術が広く行われている。一方、持続性心房細動は、原因となる基質が心房内にも存在すると考えられ、肺静脈隔離に加え、経験的に基質に対する追加通電も行われてきた。しかしながら、大規模臨床試験において、追加通電が成績向上に寄与しない可能性が示唆された。我々は、肺静脈隔離単独が、追加通電を行った群に対して心房細動非再発率が劣らないことを検討するEARNEST-PVI研究を実施した。本研究の目的は、EARNEST-PVI研究に参加した症例を対象に、観察期間を延長するとともに観察項目も増やし、それらの治療の長期にわたる影響を詳細に検討することである。

対象症例

「持続性心房細動症例に対して追加通電の有無が心房細動再発に及ぼす影響に関する研究」(EARNEST-PVI研究)に登録された症例

研究機関名/研究責任者

研究機関:大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座、桜橋渡辺病院、大阪労災病院、大阪警察病院、大阪急性期・総合医療センター、関西労災病院、八尾市立病院、JCHO大阪病院
研究責任者:坂田泰史 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座教授

研究目的

肺静脈隔離を主とする基本手技のみの治療が、基本手技に加えて経験的に推奨されてきた追加通電も行う治療と比較して成績が劣らないか否かを長期的に検証すること。

研究方法

EARNEST-PVI研究に登録された症例の臨床情報を後ろ向きに調査する。

研究の意義

両群のどちらの治療が再発予防に有効か長期的な観点から明らかになると考えられ、その臨床的意義は大きいと考えられる。

個人情報の扱い

診療情報のなかに含まれる、氏名、生年月日、カルテ番号、住所、電話番号等、個人を特定しうる個人情報については、匿名化を行い、情報が外部に漏れないように厳重に管理、保管を行う。また、研究成果が公表される場合にも、個人が特定されないよう取り扱う。

利益相反

本臨床研究の財源は科研費および循環器内科委任経理金より拠出します。循環器内科委任経理金には、複数の企業からの奨学寄付金が含まれていますが、本研究は特定の企業の製品に関する研究ではありません。したがって、本臨床研究の実施もしくは成果に影響する利益相反はありません。

本研究に関する代表連絡先

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
彦惣俊吾
TEL 06-6879-3640

研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法

本研究の対象患者さんは、上記問い合わせ先に連絡することによっていつでも本研究への参加を拒否することが可能です。

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