通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

日本における成人先天性心疾患患者の通院状況に関する調査(多施設共同後ろ向き観察研究)

更新日:2022.5.11

研究概要

 外科的手術成績の向上などにより、成人先天性心疾患(Adult Congenital Heart Disease;ACHD)の患者さんは日本全国で増加の一途をたどっています。しかしながら我が国においてACHDの診療体制は十分に確立していません。近年全国の主要施設において成人先天性心疾患対策委員会(循環器内科ネットワーク)を結成し、ACHD専門外来に積極的な患者受け入れを行っています。現在、日本や海外の主要学会からもACHD診療のガイドラインが出ていますが、臨床試験などが極めて少ないため、推奨されている医療に関するエビデンスレベルは極めて低い状況です。そこで、今回の循環器内科ネットワーク参加施設を中心として、まず管理されている患者数の把握を行い、種々の疾患に対する治療のための多施設共同治験・研究へとつなげていくことを計画しました。本観察研究の目的は全国の主要施設でフォローされている先天性心疾患を有する成人患者の人数や特徴を把握することです。

1.研究の対象

 15歳以上の心血管系構造異常を伴う先天性心疾患患者、通院および入院患者全例を対象とします。

2.研究目的・方法

 本研究の目的は全国の主要施設でフォローされている先天性心疾患を有する成人患者の人数や特徴を把握することです。 本研究は東京大学を主任施設とする後ろ向き多施設共同観察研究です。参加施設の施設毎の担当者が、各施設の診療記録から下記診療情報に関するデータを調査し、全ての施設の資料収集が完了した後、成人先天性心疾患の各疾患における患者数を集計します。

3.研究に用いる試料・情報の種類

 情報:主に管理している診療科、性別、年齢、生年月、登録年月日、心疾患診断名、診断名略語、染色体異常・症候群、手術情報(status)、診断追加情報、肺高血圧の有無、Eisenmenger症候群の有無

4.外部への試料・情報の提供

 情報は匿名化を行い暗号化されてパスワードを付与され、主任施設に電子メールで送られます。

5.研究組織

東京大学大学院医学系研究科 犬塚 亮 ほか
成人先天性心疾患対策委員会(循環器内科ネットワーク)参加施設 54施設
成人先天性心疾患対策委員会(循環器内科ネットワーク)公式ホームページ
https://www.jncvd-achd.jp/shisetu.html

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

研究実務担当者

大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 特任助教 世良英子
大阪府吹田市山田丘2-2、TEL 06-6879-3640

研究責任者・代表者

大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 教授 坂田泰史
大阪府吹田市山田丘2-2、TEL 06-6879-3640

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