経カテーテル的大動脈弁留置術5年後における カテーテル弁劣化の評価とリスク因子解析 -多施設前向き観察研究-
更新日:2021.05.07
研究概要
大動脈弁狭窄症は、加齢とともに有病率は増加し、軽度のものも含めると80歳以上の方の10%程度に認めるといわれています。これまで行われていた外科開胸手術(大動脈弁置換術)は、高齢者や並存疾患を多く持っている方には負担が大きく、治療ができないこともしばしばありました。そのような患者さんのために、近年カテーテル治療(経カテーテル的大動脈弁植込み術)が行えるようになりました。その良好な成績と少ない体への負担から、多くの患者さんに使用されるに至っています。一方で、カテーテル弁の長期的な耐久性は明らかにされておらず、植込み時の弁に対するストレスの影響も不明です。そのため本研究において、経カテーテル的大動脈弁植込み術後5年以降の患者さんの弁の状態を調査する研究を行うこととしました。
対象症例
大阪大学医学部附属病院で経カテーテル的大動脈弁植込み術を受けられた患者さんのうち、2018年9月1日から2020年6月30日の期間の間に植込み後5年目のフォロー検査を受けられた方。
研究機関名
大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座(研究代表施設)
研究責任者:坂田泰史 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座教授
榊原記念病院 循環器内科 高見 澤格
仙台厚生病院 循環器内科 多田 憲生
小倉記念病院 循環器内科 白井 伸一
研究目的
経カテーテル的大動脈弁植込み術治療後5年目以降、心臓超音波検査や心臓CT検査などの画像診断を用いてカテーテル弁の劣化の程度を評価し、さらには弁劣化に関連する因子を調査することを目的としています。
研究方法
経カテーテル的大動脈弁植込み術を受けた患者さん(5年経過した方)の診療情報を電子カルテから抽出し、心臓超音波検査や心臓CT検査から弁の劣化の程度を評価します。さらに、弁劣化に関係する因子の解析を行います。
研究の意義
経カテーテル的大動脈弁植込み術は世界中でますます多くの患者さんに行われるようになって来ています。しかし、使用されるようになってからの歴史はまだ浅く、カテーテル弁の長期的な耐久性など明らかにされていない面があります。本研究によってカテーテル治療の耐久年数や劣化の原因が明らかになり、今後の診療に役立てることができるようになります。
個人情報の扱い
患者さんの診療情報のなかに含まれる、お名前、生年月日、カルテ番号、住所、電話番号等、ご本人を特定しうる個人情報については、匿名化を行い、情報が外部に漏れないように厳重に管理、保管します。また、研究成果が公表される場合にも、患者さんが特定されないように取り扱います。
本研究に関する代表連絡先
大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
溝手 勇
TEL 06-6879-3640
研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法
本研究の対象患者さんは、上記問い合わせ先に連絡することによっていつでも本研究への参加を拒否することが可能です。