通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

血管内イメージング評価に関する研究

研究概要

厚生労働省統計によると、2018年時点の日本国内において年間約27万件の冠動脈形成術(PCI)が行われており、その多くの症例において、薬剤溶出性ステント(DES)が使用されています。一方で、既に心血管疾患をおもちの方においては,有効な二次予防治療戦略が実施されているにもかかわらず、再発率は年間5~10%に上るとの報告があります。

昨今登場した高画質血管内視鏡は、従来評価が難しいとされていた壁在型の血管内血栓や、動脈硬化病変の性状についてより詳細な評価ができる可能性があり、得られた画像データを駆使することにより、それぞれの患者さんに応じた抗血栓療法や動脈硬化病変に対する治療を提案できる可能性があります。しかしながら、血管内視鏡画像の評価においては、目視での確認による評価が主として行われており、評価者間のばらつきを排した客観的な評価を可能とする解析アルゴリズムが待たれているのが現状です。

本研究では、血管内視鏡画像による冠動脈内の動脈硬化の状態、ステント被覆状況、血栓の有無などを調査し、画像評価における客観的指標の策定とそれを実現する診断アルゴリズムを作成することにより、冠動脈内の血栓、ならびに動脈硬化病変の評価を客観的に評価することが可能かを検討します。本研究の実現により、個々の患者さんに応じた至適抗血栓療法ならびに、動脈硬化性病変に対する至適薬物治療の実現に貢献できることを目指します。

当科での研究代表者

岡山慶太 大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学講座 特任講師

統括研究代表者

岡山慶太 大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学講座 特任講師

登録症例規模および登録対象期間

100例
(2017年4月1日から2023年12月31日の間に当院にて血管内視鏡を用いた冠動脈の検査ならびに治療を受けられた方)

研究期間

2019年1月22日 〜 2024年3月31日

情報の利用および個人情報について

本研究では、対象となる方の診療録を閲覧し、必要に応じ血液検査データ、画像検査データ、病歴、服薬状況などを含む臨床情報を収集いたします。情報(データ)に関しては、「匿名化」を行い、個人情報を保護します。 すなわち研究対象となる方のデータから氏名等の個人情報をすべて削除し、代わりに新しく番号をつけて匿名化を行います。研究対象となる方とこの番号を結びつける対応表は外部に漏れないように厳重に保管いたします。

参加を希望されない方へ

この臨床研究での情報(データ)の利用を望まれない方は、下記までご連絡ください。情報(データ)の利用を中止させていただきます。尚、参加を辞退されたとしても、それによりあなたが不利益を受けることはありません。

本研究に関する代表連絡先

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
岡山 慶太
TEL:06-6879−3638

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