通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

新たな血清脂質および酸化ストレス指標に基づく動脈硬化性疾患のリスク評価に関する研究

研究概要

 近年の狭心症や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の増加に対し、そのハイリスク集団の早期同定による生活習慣への積極的介入が必要です。しかし現在、個人の動脈硬化病変は、既知の血清マーカーによって十分に予測できるとは言えません。本研究はまず通常の外来診療で測定される脂質代謝関連項目と食後高脂血症による動脈硬化惹起性と強く相関する血清apo B-48・RemL-C濃度を測定し比較します。さらに動脈硬化発症患者では、脂質代謝の異常を基盤として様々なマーカーが関係しており、各々のマーカーの動脈硬化性病変予測因子としての有用性を明らかにすることが本研究の目的です。

対象症例

 大阪大学医学部附属病院循環器内科外来通院中の脂質異常症を有する患者さんで本研究の同意を得られた者。

研究方法

 外来診察時に行われる空腹時血液検査において7mLの採血を追加し、血清を分離し、冷凍保存する。その検体を用いて、各脂質値に加え、apo B-48・RemL-Cやその他の脂質関連マーカーの測定を行う。更にカルテデータから身長、体重、ウエスト周囲径、既往歴、喫煙の有無、現在の処方内容、頸動脈エコーや冠動脈CT等による動脈硬化の評価データを抽出し相関をみることで、各マーカーの動脈硬化性病変予測因子としての有用性を明らかにします。

研究デザイン

単施設による無作為抽出多変量解析試験

本研究に関する代表連絡先

小関正博 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学 助教
TEL: 06-6879-3633
FAX: 06-6879-3634

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