通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

MtFUJI研究

非代償性心不全で入院し、体液貯留に対してトルバプタン治療を受けた患者に関する多施設共同前向きコホート研究

研究概要

 心不全における体液貯留の治療の基本は水・ナトリウム貯留を防ぐことであり、利尿薬が適応とされ、主に塩類排泄型が用いられるが、その作用から低ナトリウム血症、低カリウム血症等の血清電解質低下や降圧作用によるふらつきが発現することがあります。また血清ナトリウム濃度が140mEq/未満の心不全患者さんの場合は、予後が悪いとの報告があり、そのような患者さんには電解質排泄の増加を伴わず過剰な水のみを排泄する非ペプチド性V2受容体拮抗剤トルバプタンが用いられることがあります。しかし、日本人においてトルバプタンの長期予後に対する影響は明らかではありませんので、本試験が多施設共同で立案されています。具体的には非代償性心不全により入院し、血清ナトリウム濃度が140mEq/L 未満で水利尿薬トルバプタン以外の利尿薬で解消しない体液貯留のある患者さんにトルバプタンでの治療を行った際の臨床経過・予後について前向きに観察する研究であります。なお、全国29施設で300例の登録が予定され、トルバプタンの効果および予後に関連する因子の検討も行う予定です。

当科での研究代表者

 循環器内科学教授:坂田泰史

統括研究代表者

 日本医科大学武蔵小杉病院 内科・循環器科:佐藤 直樹

研究デザイン

 前向き多施設観察研究

公開試験ID

 UMIN000008258

登録症例規模および研究期間

 登録期間:2012 年 7 月~2014 年 12 月
 追跡期間:2012 年 7 月~2015 年 12 月

本研究に関する代表連絡先

 〒650-0047
 兵庫県神戸市中央区港島南町1-5-4
 公益財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
 MT FUJI TRI事務局
 TEL:078-304-6804
 E-mail:MTFUJI@tri-kobe.org

 大阪大学医学部附属病院の場合は
 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学:大谷朋仁
 TEL:06-6879-3640

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