心不全部門
取り扱い疾患
拡張型心筋症、肥大型心筋症、虚血性心筋症、2次性心筋症(心サルコイドーシス、心ファブリ病、筋疾患に伴う心筋症など)、弁膜症、成人先天性心疾患および肺高血圧症に伴う急性心不全および慢性心不全
特色
心臓移植施設である当大学では移植適応の検討をするstageDの重症心不全から心不全症例の多数を占める高齢者の心不全まで多岐にわたる病態の診療を行っています。特に重症心不全では治療の介入余地がある二次性心筋症を逃さないために心筋生検を含めた多種の検査を行っています。徹底的な内科的治療を行い、それでも外科治療が必要な場合は、心臓外科との密な連携により至適なタイミングでの弁膜症手術や補助人工心臓装着術などの外科治療への移行も行っています。また、心臓移植の待機が長期化する日本の現状において、補助人工心臓装着症例の合併症予防や治療にも積極的に関わり、移植までの橋渡しをサポートしています。 重症心不全診療に携わる医師の育成を目的に他施設より研修生の受け入れを行っております(重症心不全・移植専攻医育成プログラム)。
診療実績
入院診療実績
2016年 | 2017年 | 2018年 | |
心不全入院精査加療総数 | 286例 | 281例 | 264例 |
うち転院症例 | 46例 | 45例 | 55例 |
心臓移植登録症例(新規) | 47例 | 26例 | 21例 |
代表的な基礎心疾患 | |||
特発性拡張型心筋症 | 75例 | 94例 | 84例 |
虚血性心筋症 | 30例 | 33例 | 23例 |
肥大型心筋症(拡張相を含む) | 25例 | 27例 | 35例 |
弁膜症(術後も含む TAVI症例は別途記載) | 27例 | 28例 | 19例 |
肺高血圧症(除く2群) | 24例 | 9例 | 24例 |
急性心筋炎 | 5例 | 6例 | 8例 |
感染性心内膜炎 | 3例 | 2例 | 2例 |
心臓移植後入院検査 | 106例 | 113例 | 104例 |
検査実績
2016年 | 2017年 | 2018年 | |
心筋生検 | 275件 | 260件 | 272件 |
心臓MRI検査 | 154件 | 148件 | 180件 |
経胸壁心エコー図検査 | 7271件 | 7702件 | 6657件 |
経食道心エコー図検査 | 232件 | 280件 | 363件 |
心臓リハビリテーション(入院のみ) | 358件 | 439件 | 461件 |
心臓リハビリテーション実施のべ件数 | 4261件 | 4656件 | 5724件 |
主任
心不全全般担当
中本 敬(なかもと けい)
【略歴】
平成16年 大阪大学医学部卒
平成16年5月-平成18年3月 大阪大学医学部附属病院 初期研修医
平成18年4月-平成21年3月 市立豊中病院 循環器内科 後期研修医
平成21年4月-平成25年3月 独立行政法人国立病院機構呉医療センター 循環器内科 医員
平成25年4月-平成31年3月 大阪大学医学部附属病院 循環器内科 医員
平成31年4月-現在 大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 特任助教
【主任からのメッセージ】
大学病院として他の医療機関では対応困難な重症心不全の診療を中心に、ハートセンターとして内科外科の垣根を超えた最大限の治療を目指して日々精進して参ります。また、全国各地より集まる重症心不全診療医を志す医師の育成と新たな診断や治療に繋がる研究にも力を入れていきたいと考えております。
心エコー検査部門担当(兼心不全副主任)
竹田 泰治(たけだ やすはる)
【略歴】
平成11年 大阪大学医学部卒
平成11年6月―12年5月 大阪大学医学部附属病院第一内科研修医
平成12年6月―16年5月 大阪警察病院循環器内科研修医、医員
平成16年6月―18年3月 大阪大学医学部附属病院循環器内科医員
平成21年3月 医学博士取得
平成21年4月―24年3月 大阪大学医学部附属病院卒後教育開発センター医員
平成24年4月―26年3月 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学特任助教
平成26年4月―31年3月 大阪警察病院循環器内科医長、副部長
平成31年4月 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学助教
【副主任、心エコー主任からのメッセージ】
大学病院という立場をしっかり認識し、重症心不全症例の最後の砦として、確実な診断、治療をめざし、精一杯務めていきたいと思います。また、ハートセンターとして、内科、外科だけでなく、多職種で連携しながら、診療にあたっていきたいと思います。
心エコーは現代の聴診器です。心エコー室での正確な評価だけでなく、ベッドサイドへ飛び出し、積極的そして迅速な病態把握にも努めてまりいます。