成人先天性心疾患 (Adult Congenital Heart Disease: ACHD) 部門
取り扱い疾患
15歳以上の心房中隔欠損、心室中隔欠損、大血管転位、ファロー四徴症、単心室など先天性心疾患全般
特色
100人の出生に1人、先天性心疾患を有すると言われていますが、外科治療の進歩により、多くの患者さんが成人期に到達します。この成人先天性心疾患の患者さんの中には、継続的な治療・経過観察を必要とする方も少なくありません。従来は、このような成人期を迎えた患者さんの診療も小児循環器医により継続されていましたが、現在は、生涯にわたる継続的なサポート体制の構築を目指し、小児循環器から循環器内科への移行が積極的に推進されています。
大阪大学循環器内科では、2014年よりACHD専門外来を立ち上げ、院内の小児科や関連する小児施設からの移行や心臓血管外科との連携を進め、単純心奇形(心房中隔欠損など)から単心室などの複雑心奇形まで、あらゆる成人先天性心疾患の診療にあたっています。
診療実績
当科ACHD外来患者数
JNCVD-ACHD(成人先天性心疾患対策委員会)レジストリー登録症例数
2014年-2023年12月まで 循環器内科ACHD外来受診患者累積総数(531症例) |
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ファロー四徴症 | 103例 | 大動脈二尖弁 | 16例 |
単心室症 | 56例 | 肺動脈弁狭窄 | 14例 |
心室中隔欠損症 | 55例 | 純型肺動脈閉鎖 | 12例 |
心房中隔欠損症 | 50例 | 動脈管開存 | 12例 |
大血管転位症 | 37例 | Ebstein奇形 | 11例 |
大動脈縮窄症 | 34例 | 修正大血管転位 | 10例 |
肺動脈閉鎖兼心室中隔欠損 | 23例 | 総肺静脈還流異常症 | 8例 |
房室中隔欠損症 | 19例 | その他 | 71例 |
入院診療実績
当科へのACHD入院患者数(共観含む)
- 外科的手術が必要と考えられた患者さんの術前精密検査、心不全や不整脈の治療について入院での検査・治療を行っています。
- 不整脈に対するアブレーションやデバイス治療も不整脈部門と連携して積極的に実施しています。
- カテーテル治療は循環器内科SHD部門や小児循環器と共同で実施しています。
阪大ACHDチーム
大阪大学医学部附属病院では、小児科循環器グループ、心臓血管外科小児グループ、循環器内科ACHDチームが連携してACHD診療を行っています。治療方針を検討する小児科、心臓外科、循環器内科合同でのACHDカンファレンスや産科との症例検討を定期的に開催しています。