成人先天性心疾患 (Adult Congenital Heart Disease: ACHD) 部門

取り扱い疾患

15歳以上の心房中隔欠損、心室中隔欠損、大血管転位、ファロー四徴症、単心室など先天性心疾患全般

特色

・100人の出生に1人、先天性心疾患を有すると言われていますが、近年外科治療の進歩により、その多くが成人に到達します。この成人先天性心疾患の患者さんの中には継続的な治療・経過観察を必要とする方も少なくありません。従来はこういった成人症例も小児科やこども病院でフォローされていましたが、患者数の増加や入院病床(成人の患者さんが小児科病棟に入院できない)などの問題から、内科を中心とした診療への移行が重要となってきています。
・大阪大学循環器内科では2014年より成人先天性心疾患の専門外来を開始して、当院小児科や大阪母子医療センターなど小児施設からの移行を積極的に行い、単純心奇形(心房中隔欠損など)から単心室などの複雑心奇形まで、あらゆる成人先天性心疾患の診療にあたっています。

診療実績

当院ACHD外来患者数
成人先天性心疾患対策委員会(循環器内科ネットワーク) レジストリー登録症例数

当院ACHD外来患者数

・多くは当院小児科・心臓血管外科から移行した患者さんですが、大阪母子医療センターなど他院からも紹介受診いただいております。
・外来では心エコー検査、心臓CTやMRI、心肺運動負荷試験などによる評価を行っております。

入院診療実績

当科へのACHD入院患者数(共観含む)

当科へのACHD入院患者数(共観含む)

ACHD入院患者の内訳

ACHD入院患者の内訳

図4:ACHD患者の入院目的

図4:ACHD患者の入院目的

・外科的手術が必要と考えられた患者さんなどの術前精密検査、心不全や不整脈の治療について入院での検査・治療を行っています。
・定期的に小児科、小児心臓血管外科医師とのチームでカンファレンスを行い、治療方針について検討を行っています。
・頻脈性・徐脈性などの不整脈に対しては、不整脈部門と連携し、カテーテルアブレーションやペースメーカ、除細動器植込み術などを行っています。
・産婦人科と連携し、心疾患合併患者さんの妊娠・出産についてサポートしています。

ACHD外来診療担当

世良先生

世良 英子(せら ふさこ)

【卒年および卒業大学】

平成14年 大阪大学医学部卒

【職歴】

平成14年6月-平成15年5月 大阪大学医学部附属病院 第一内科 研修医

平成15年6月-平成24年3月 独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院 循環器内科

平成24年4月-平成27年3月 Columbia University Medical Center, New York, NY, USA博士研究員

平成27年4月-平成28年8月 大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 医員

平成28年8月-平成30年4月 同研究科 重症心不全内科治療学講座 寄付講座助教

平成30年4月-現在 同研究科 循環器内科学 特任助教

【メッセージ】

心不全部門が中心となり不整脈や虚血・SHDなどの循環器内科の専門部門と協力しながら患者様一人一人の状態に合わせた診療を行っていきます。心臓外科や小児科とも密に連携し長期的な管理を行っていきます。

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