教授挨拶

『大阪発の新しい循環器医療を世界の患者さんに届ける』

坂田教授大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学教室は、2005年春の内科再編により、旧第一内科心臓研究室、旧第二内科循環脂質研究室、旧第三内科循環器研究室が一緒となり創設されました。初代教授に堀正二先生、二代目教授に小室一成先生を迎え、日本の循環器医療の中心的役割を果たしてまいりました。このたび、第三代教授として、私、坂田泰史が就任いたしました。地域、そして日本の循環器内科医療を守り、大阪発の新しい循環器医療を世界の患者さんに届けるべく、全力を尽くしてまいりたいと存じます。

臨床:日本の循環器内科の最後の砦という使命感のもとに誠実な医療を提供

当教室は、大阪大学医学部附属病院を含む30を超える病院により大阪循環器部会を構成し、お互いが強く連携しながら、一つのチームとして、阪神間から関西圏に及ぶ循環器医療を担っております。

大阪大学医学部附属病院では、虚血性心疾患、不整脈、心不全など重症患者さんを含むすべての循環器疾患について、高度救命救急センターとも協力しながら24時間体制で診療を行なっております。当教室の第一の特徴は、非常に重症な患者さんを多く診療させて頂いていることです。これは、当院が移植実施施設に認定されており、日本全国から重症心不全・重症複雑不整脈症例のご紹介を頂いていること、また日本を代表するPCIの専門家を擁していることにより、完全閉塞病変など冠動脈複雑病変を有する患者さんのご紹介が多いことに起因しております。これらの患者さんに対し、「我々が日本の循環器医療の最後の砦である」という使命感のもと全力で治療にあたっております。また、心臓血管外科と共同で2007年より「ハートセンター」を設立し、「科の垣根を越え、最適の治療を提供する」という理念のもと、特に重症心不全、経皮的弁膜症治療などにおいて緊密な連携をとっております。

今後は、大学病院を含む大阪循環器部会の構成病院がそれぞれの特徴を活かしてさらに連携し、地域の先生方とも密接に関わることにより、地域医療を守っていきたいと考えております。また、大阪循環器部会全体として、最新治療の導入に積極的に取り組んで参ります。

研究:病気を知ることによる真のオーダーメード医療を目指して

坂田教授当教室では、以前より質の高い基礎、臨床、疫学研究を行ってまいりました。基礎研究は、心不全の病態、動脈硬化進展機序、血管病の分子メカニズムの解明、心血管領域の再生医療を目指し、多くの報告を行っています。臨床研究について、大学附属病院では、臨床における疑問点を今までの常識にとらわれずに解決するために、患者さんの病態を丁寧に観察することにより得られるヒントにこだわった研究を発表してきました。循環器部会全体としても、海外を含む学会発表、論文発表が多くなされ、高いレベルの臨床研究を行っております。このたび新しく循環器部会全員参加型の研究体制を整えつつあります。現場の疑問を重視する臨床研究を目指してまいります。

もちろん研究の最終目標は、新しい治療手段を確立し、今まで助け得なかった患者さんを救うことですが、そのためには、患者さんから発信される、ミクロからマクロに至る情報を丁寧に観察し、疾患iPS細胞、動物実験などの基礎研究と結びつけることにより、病態の本質を知ることが必要です。その上で、患者さん一人ひとりにあった治療、つまり真のオーダーメード医療を提供するため教室を挙げて努力を続けて参ります。

教育:世界で活躍する医師・医学者を育てる

当教室では、教育にも循環器部会全体で積極的に取り組んでおります。大学附属病院では、カリキュラム内の講義はもちろんのこと、クリニカル・クラークシップにおいて丁寧なクルズス、担当症例検討に加え、カテーテル検査・外来診察・心エコー・心臓リハビリテーションなどの一日体験コースなど、体験型・問題基盤型学習を重要視してきました。希望者には、臨床教授が所属する病院にて実地診療を学習する機会も設けております。卒後研修では、各循環器部会病院のレベルの高さより、一般的知識・手技のみならず、一人前の循環器専門医としてのトレーニング、さらには大学附属病院における高度先進医療にも触れる機会を得ることができます。

今後も「人材こそ宝」の考えのもと、教育に一層力を入れてまいります。学生のころから論理的思考を身につけ、この情報があふれる時代において生の情報から判断できる観察力、その疑問を研究にて解決しようとする探究心を育てたいと思います。また、国際性を磨くための語学・プレゼンテーション能力の重視や、留学・海外経験の励行から世界で活躍する医師・医学者に成長してもらえる環境を整備して参ります。もちろん、これらは、全人的医療の精神に則ったものでなければなりません。

このように、臨床・研究・教育の充実により大阪循環器部会全体を一つのチームとして、大阪発の新しい医療を世界の患者さんに届けるという大きな目標を達成して参りたいと考えております。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

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