オールジャパン拡張型心筋症ゲノムコホート研究によるゲノム医療の発展
大阪大学医学部附属病院にて
心不全および心筋症でご加療中の方及びその家族の方へ
心不全は現在、がんと並んで我が国における主要な死亡の原因となっています。様々な心臓疾患が最終的に心臓の機能低下である心不全という病態を呈しますが、その心不全のメカニズムは未だ明らかでなく、個々の患者さんに最適の治療ができているとは言い難い現状があります。そこで当院循環器内科では、心不全・心筋症の患者さんの血液検体を用いて、次世代シークエンサーと呼ばれる装置を使って遺伝子を解析することで、心不全や心筋症の本質的な原因を追求する研究を行っています。この研究は、当院循環器内科が中心となり、以下のような共同研究施設と連携して行われる研究です。
この研究の対象者に該当する可能性がある方で、研究への協力を希望されない場合、あるいは協力を途中でおやめになりたい場合は2024年1月30日までに末尾に記載の問い合わせ先までご連絡ください。
【研究課題】
オールジャパン拡張型心筋症ゲノムコホート研究によるゲノム医療の発展
(審査番号2022166G)
【研究機関名及び本院の研究責任者氏名】
この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
主任研究機関 東京大学医学部附属病院 循環器内科
研究代表者 東京大学医学部附属病院 循環器内科
東京大学大学院医学系研究科 重症心不全治療開発講座
特任助教 野村征太郎
担当業務 データ収集・符号化・データ解析
研究機関 大阪大学医学部附属病院
研究責任者 大谷 朋仁
【本学の寄付講座所属】
寄付講座の所属は次に示すとおりです。
- 東京大学大学院医学系研究科 重症心不全治療開発講座 野村征太郎
- 東京大学大学院医学系研究科 重症心不全治療開発講座 網谷英介
- 東京大学大学院医学系研究科 コンピュータ画像診断学/予防医学講座 藤田寛奈
- 東京大学大学院医学系研究科 先端臨床医学開発講座 伊藤正道
【共同研究機関】
共同実施医療機関名、当該実施医療機関の研究責任医師の所属及び氏名
実施医療機関名 | 所属部署 | 研究責任医師 |
国立大学法人 東京大学 | 循環器内科 | 野村 征太郎 |
札幌医科大学附属病院 | 循環器・腎臓・代謝内分泌内科 | 神津 英至 |
弘前大学医学部附属病院 | 循環器内科 | 西崎 公貴 |
東北大学病院 | 循環器内科 | 後岡 広太郎 |
北里大学病院 | 循環器内科 | 飯田 祐一郎 |
国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院 | 循環器内科 | 廣井 透雄 |
榊原記念病院 | 循環器内科 | 泉 佑樹 |
順天堂大学医学部附属順天堂医院 | 循環器内科 | 末永 祐哉 |
聖マリアンナ医科大学病院 | 循環器内科 | 木田 圭亮 |
聖路加国際病院 | 心血管センター | 水野 篤 |
千葉大学医学部付属病院 | 循環器内科 | 岩花 東吾 |
東京女子医科大学病院 | 循環器内科 | 鈴木 敦 |
東邦大学医療センター大森病院 | 循環器内科 | 松本 新吾 |
国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 | 循環器センター内科 | 児玉 隆秀 |
日本大学医学部附属 板橋病院 | 循環器内科 | 齋藤 佑記 |
社会福祉法人 三井記念病院 | 循環器内科 | 堀内 優 |
横浜市立大学附属病院 | 循環器内科 | 小西 正紹 |
新潟大学医歯学総合病院 | 循環器内科 | 柏村 健 |
富山大学附属病院 | 循環器内科 | 今村 輝彦 |
金沢大学医学部付属病院 | 循環器内科 | 多田 隼人 |
名古屋大学医学部附属病院 | 重症心不全治療センター・循環器内科 | 奥村 貴裕 |
名古屋市立大学病院 | 循環器内科 | 瀬尾 由広 |
奈良県立医科大学附属病院 | 循環器内科 | 尾上 健児 |
大阪大学医学部附属病院 | 循環器内科 | 大谷 朋仁 |
国立循環器病研究センター病院 | 心臓血管内科部門 心不全科 | 北井 豪 |
岡山大学医学部附属病院 | 循環器内科 | 中村 一文 |
山口大学医学部付属病院 | 器官病態内科学(第二内科) | 岡村 誉之 |
高知大学医学部附属病院 | 循環器内科 | 久保 亨 |
愛媛大学医学部附属病院 | 循環器内科 | 東 晴彦 |
徳島大学病院 | 循環器内科 | 門田 宗之 |
九州大学病院 | 循環器内科 | 松島 将士 |
佐賀大学医学附属病院 | 循環器内科 | 野出 孝一 |
鹿児島大学病院 | 心臓血管内科 | 窪園 琢朗 |
山形大学医学部付属病院 | 第一内科(循環器内科) | 渡辺 昌文 |
兵庫県立淡路医療センター | 循環器内科 | 藤本 恒 |
この研究に利用する試料、資料・情報は共同研究機関の範囲のみで利用されます。
【研究期間】
承認日 ~ 2030年3月31日
本研究は長期にわたる研究を計画しています。記載の研究期間終了後も継続する場合は、研究期間延長の申請を行う予定です。
【対象となる方】
2020年1月1日〜2030年3月31日の間に当院または共同研究機関におかかりの心筋症の患者さん、あるいは罹患の可能性のある20歳以上の方。またこれまでに「心筋症に関連する遺伝子変異・多型解析」あるいは「遺伝性心血管疾患の感受性遺伝子解析研究」にご参加いただいた、20歳以上の方および20歳以上のご家族。
【研究目的・意義】
この研究は、あなたの血液から「遺伝子」を抽出して解析することを通じ、人の体質をより詳細に把握することを目指すものです。「遺伝子」とは、人間の身体を作る設計図にあたるものです。人間の身体は、約60兆個の細胞からなっていますが、遺伝子は、細胞一個一個の中の「核」という部分に入っています。人間の身体は、この遺伝子の指令に基づいて成長、維持されており、多くの病気はこの遺伝子と、生活の仕方等の環境要因の両方の影響からおこると言われています。
本研究では患者さまがおかかりの心不全・心筋症についてその遺伝子について詳しく解析を行い、心不全・心筋症というご病気とどのように関連性があるのか検討したいと考えております。
【研究の方法】
本研究は東京大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院または共同研究機関におかかりの心筋症の患者さん、あるいは罹患の可能性のある方で、20歳以上の方を対象とした研究です。共同研究機関と合わせて、合計2000名の方のご協力を予定しています。
具体的な手順は以下の通りです。
- 研究者から本研究に関するご説明を行い、同意書にご署名をいただきます。
- 約10mlの血液検体をいただきます。
- ゲノム解析・結果返却に関するアンケートをご記載いただきます。
- 頂いた血液検体を用いて、東京大学あるいは大阪大学で遺伝子解析をします。
- 通常の診療の中で生じる診療情報(年齢や性別などの基本情報、血液検査情報、各種心臓検査情報など)を収集させていただきます。
- 遺伝子解析結果と収集した診療情報を解析します。
なお、研究計画書や研究の方法に関する資料を入手・閲覧して、研究内容を詳しくお知りになりたい場合は、末尾の連絡先にお問い合わせください。他の研究対象者の個人情報等の保護や研究の独創性確保に支障がない範囲でご提供させていただきます。
【個人情報の保護】
この研究に関わって収集される試料や情報・データ等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
収集した血液検体や診療情報は、解析担当機関に送付前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにします(このことを符号化といいます)。
符号化した上で、鍵のかかる冷凍庫や研究責任者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。ただし、必要な場合には、当診療科においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行い、結果をあなたにお知らせすることもできます。
またあなたのゲノム情報は、東京大学や大阪大学に送られ解析・保存されますが、(※学外機関の管理責任者)が、個人情報管理担当者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。
この研究のためにご自分(あるいはご家族)の試料や情報・データ等を使用してほしくない場合は主治医にお伝えいただくか、下記の問い合わせ先に2030年3月31日までにご連絡ください。研究に参加いただけない場合でも、将来にわたって不利益が生じることはありません。
ご連絡をいただかなかった場合、ご了承いただいたものとさせていただきます。
研究の成果は、あなたの氏名等の個人情報が明らかにならないようにした上で、学会発表や学術雑誌、国内および国外のデータベース等で公表します。
収集した血液や診療情報等は、原則としてこの研究のためにのみ使用します。
研究期間終了5年後、もしくはあなたが参加した施設で決められた保管期間のいずれか遅い日まで保管した後、収集した血液においてはオートクレーブ処理、診療情報においてはデータの削除をすることで廃棄します。
しかし、もしあなたが同意してくだされば、将来の研究のための貴重な資源として、保管期間終了後も引き続き保管します。符号により誰の試料や情報・データ等かが分からないようにした上で、鍵のかかる冷凍庫や研究責任者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコンで厳重に保管します。
将来、当該試料や情報・データ等を新たな研究に用いる場合や他の研究機関に提供する場合には改めて東京大学医学部倫理委員会の承認を受けた上で行います。この研究において得られた血液や診療情報等は廃棄期限までの間に、この研究以外の研究に使用される可能性や企業に提供して活用される可能性もあります。その場合には改めて東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、あなたの同意を得るか、または情報公開により研究対象者となることを拒否する機会を設ける等、適切な方法で行います。
なお研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。
【知的財産権等の帰属】
本研究の結果として知的財産権等が生じる可能性がありますが、その権利は国、研究機関、民間企業を含む共同研究機関及び研究従事者等に属し、研究対象者はこの特許権等を持ちません。また、その知的財産権等に基づき経済的利益が生じる可能性がありますが、これについての権利も持ちません。
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、大阪大学医学部附属病院 院長の許可を受けて実施するものです。
この研究に関する費用は、AMED「オールジャパン拡張型心筋症ゲノムコホート研究によるゲノム医療の発展」(研究代表者:野村征太郎)から支出されています。
本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。また、利益相反の状況については本院の利益相反マネジメント委員会に報告し、その指示を受けて適切に管理しています。
尚、あなたへの謝金はございません。
この研究について、わからないことや聞きたいこと、何か心配なことがありましたら、お気軽に下記の連絡先までお問い合わせください。
2023年10月
【問い合わせ先】
研究責任者:大谷朋仁
連絡担当者:藏本勇希
住所:吹田市山田丘2-15
実施医療機関名:大阪大学医学部附属病院循環器内科
Tel: 06-6879-5111または3640
URL:http://www.cardiology.med.osaka-u.ac.jp/?post_type=clinical
http://www.cardiology.med.osaka-u.ac.jp/