通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

心不全や突然死をきたす循環器疾患に関する診断および治療に関する後ろ向き研究

研究概要

我が国における心疾患による死亡数は約19万6千人であり、1位である癌による死亡数の37万人に続きます。また、循環器疾患は心不全や突然死をきたし、平成24年度国民医療費に対する循環器系疾患の占める割合は1位であり、循環器疾患に対する医療対策が急務となっています。しかし、発症する機序、診断やその後の治療法については、不明な点が多いことが現状です。本研究は、これまでに循環器疾患の診断や治療で入院となった患者さんの診療情報を振り返って詳細に検討することで、病気の解明や新しい治療法の発見の一助となることをめざすものです。

対象症例

2006年1月1日から現在日より1日前までに大阪大学医学部附属病院の循環器内科で入院・外来で診療をうけた患者さん

研究機関名/研究責任者

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
(研究責任者:坂田泰史 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座教授)

研究目的

循環器疾患の診断および治療のために入院となった患者さんの臨床背景、治療内容、予後を明らかにすることで、循環器疾患にて検査や治療をされた患者さんの病態を把握し、病気の解明や新しい治療法の発見の一助とすることが目的です。

研究方法

大阪大学医学部附属病院の循環器内科に外来・入院で診療をうけた患者さんの診療情報を電子カルテから抽出し、臨床背景、治療内容、予後を調査し、診断および治療に関係する因子の解析を行います。

研究の意義

虚血性心疾患、弁膜症、心筋疾患、不整脈などのあらゆる循環器疾患は、心不全や突然死などをきたしますが、正確な診断や治療法はまだ十分には確立されていません。発症機序、その後の経過など不明な点は多く、世界で研究が進められています。診療情報を詳細に検討することで、病気の詳細が明らかになったり、新しい治療法が発見されたりすることが期待されます。これらにより、循環器疾患を有する患者さんの生活の質が改善したり、再入院率や死亡率軽減につながることが期待されます。

個人情報の扱い

患者さんの診療情報のなかに含まれる、お名前、生年月日、カルテ番号、住所、電話番号等、ご本人を特定しうる個人情報については、匿名化を行い、情報が外部に漏れないように厳重に管理、保管します。また、研究成果が公表される場合にも、患者さんが特定されないように取り扱います。

利益相反

循環器内科学講座は、大塚製薬株式会社、アボットメディカルジャパン株式会社、他数社より奨学寄附金を受けています。
研究を行うときにその研究を行う組織あるいは個人(以下「研究者」という。)が特定の企業から研究費・資金などの提供を受けていると、その企業に有利となるように研究者が研究結果を改ざんあるいは解釈したり、また都合の悪い研究結果を無視するのではないかという疑いが生じます。(こうした状態を「利益相反」といいます。)
この研究における利益相反は、大阪大学大学院医学系研究科・医学部臨床研究利益相反審査委員会による審査を受け、承認を得ています。我々はその審査結果に基づき、利益相反を適正に管理して研究を行います。

本研究に関する代表連絡先

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
 TEL 06-6879-3640

研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法

本研究の対象患者さんは、上記問い合わせ先に連絡することによっていつでも本研究への参加を拒否することが可能です。

月間アーカイブ
PageTop