通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

HFpEF患者において心不全入院歴の有無が肥満、内臓脂肪肥満の頻度とその予後に与える影響の検討

はじめに

現在、日本を含む多くの国々で心不全の患者さんが増加しており、これは深刻な医療・社会問題となっています。特に「左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)」と呼ばれるタイプの心不全は、全体の約7割を占めており、心不全の増加に大きく関わっていると考えられています。
欧米では肥満の割合が高く、HFpEFの患者さんの多くが肥満を伴っていることが知られています。最近の研究では、肥満がHFpEFの発症や重症化に関係しており、治療の新たなターゲットとして注目されています。
一方で、アジア諸国、特に日本では、肥満の割合が欧米に比べて低いため、肥満とHFpEFとの関係についての情報はまだ十分にわかっていません。私たちの最近の研究では、日本人でも肥満がHFpEFの経過に影響を及ぼす可能性があることが明らかになりました。しかし、心不全による入院の経験があるかどうかといった病気の進行状況によって、肥満の影響がどのように異なるかについては、まだ明らかにされていません。
本研究では、大阪大学大学院医学研究科循環器内科と群馬大学医学部附属病院が共同で、肥満や内臓脂肪型肥満が、死亡や再入院といった将来の病状(予後)に与える影響について、心不全での入院歴(入院したことがあるかどうか)が関係しているかを明らかにすることを目的としています。大阪大学では、心不全入院歴のあるHFpEF患者さんを対象とした「PURSUIT-HFpEF」という研究を行っています。一方、群馬大学では、心不全入院歴のない外来の患者さんを対象とした研究を行っています。これらのデータは過去の研究で使われたものをそのまま活用するのではなく、今回の研究のために新しく集めて整理して解析します。
本研究を通じて、HFpEFという病気における肥満の重要性がより明確になり、将来的には、より効果的な治療や予防法の開発につながることが期待されます。こうした研究を行う際には、診断や治療の経過中に記録された病名、投薬内容、検査結果など人の健康に関する情報(「情報」といいます)を用います。ここでは、既に保管されているこうした情報の利用についてご説明します。

研究に用いる試料や情報の利用目的と利用方法(他機関に提供する場合にはその方法を含みます)について

本研究では診療記録を閲覧しながら患者さんの基本情報・各種検査結果・心電図・胸部レントゲン検査・6分間歩行試験・心エコー図検査・運動負荷心エコー図検査・右心カテーテル検査結果・予後情報に関する情報を集めます。集めた情報は患者さんの個人情報を排除し、別の番号で個人情報の加工匿名化した上で管理されます。収集する予定の具体的な項目は下記「研究に用いる試料・情報の項目」に明記してあります。群馬大学医学部附属病院のデータは、個人情報の加工された後に大阪大学に送られます。送信の際には安全性の十分確保されたオンラインストレージサービス(Proself)を使用します。Proselfはデータの受信のみ使用し、データのダウンロードが終了したらデータはすぐに削除します。

研究の対象となられる方

2016年5月1日から2022年2月28日までに、大阪大学大学大学院医学研究科が実施したPURSUIT-HFpEF研究に参加された患者さんを対象にする予定です。具体的にはフラミンガムの心不全診断基準を満たし、入院時の血液検査において、BNP ≥100 pg/mL または NT-proBNP ≥400 pg/mLを満たした方です。
群馬大学医学部附属病院において、2019年1月1日から2025年10月31日までに、労作時呼吸困難精査のため運動負荷心エコーを行った患者さんを対象にする予定です。対象となることを希望されない方(もしくはその父母、兄弟姉妹、配偶者、2親等までの親族の方)は、相談窓口(連絡先)へご連絡ください。希望されなかった方の情報は、研究には使用しません。ただし、対象となることを希望されないご連絡が、論文等に公表される以降になった場合には、ご希望に添えない可能性があることをご了承ください。

研究期間

研究を行う期間は医学部長許可日より2029年3月31日までです。
情報を利用または提供を開始する予定日は2026年1月です。

研究に用いる試料・情報の項目

上記の対象患者さんの個人情報を排除して、別の番号で個人情報の加工した後で、年齢や性別などの基本情報・各種検査結果に関する情報を集めます。

収集する予定の具体的な情報は以下です:臨床データ、内服薬、血液検査所見、心電図検査、胸部レントゲン、運動耐容能、心エコー図検査、運動負荷心エコー図検査、右心カテーテル検査、運動負荷右心カテーテル検査、予後情報

*補足:収集予定の情報の詳細

臨床データ(性別、年齢、身長、体重、BMI、腹囲、血圧、脈拍、既往歴(高血圧、糖尿病、脂質異常症、冠動脈疾患、過去の心筋梗塞、肺疾患(間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患)、過去の心不全入院歴、ペースメーカーの有無)、喫煙歴、内服薬(ACE阻害薬/ARB、CCB、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬、利尿薬、スタチン)、NYHA)、血液検査所見(血算、空腹時血糖、HbA1c、アルブミン、総コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、クレアチニン、尿素窒素、CRP、NT-proBNP、トロポニン、AST、ALT、LDH、ALP、γGTP、総ビリルビン、直接ビリルビン、Alb、尿酸、GNRI、CONUT、PNI)、尿検査(尿潜血、尿タンパク、尿中アルブミン/クレアチニン比)、12誘導心電図、胸部レントゲン、運動耐容能、安静時心エコー図検査(心腔径・容積(LVDd, LVDs, IVS, PW, LAD, LAV, LAVI, LVM, LVMI, RWT, LVEDV, LVESV)、左室駆出率、僧帽弁血流速度、僧帽弁輪組織ドプラ速度、1回拍出量、心拍出量、三尖弁逆流最大速度、推定右房圧、下大静脈径とその呼吸性変動の有無、三尖弁輪ドプラ速度、TAPSE、弁狭窄・逆流重症度(MS,AS,MR,TR,AR))、運動負荷心エコー図検査(僧帽弁血流速度、僧帽弁輪組織ドプラ速度、三尖弁逆流最大速度、推定右房圧)、右心カテーテル検査(肺動脈楔入圧、収縮期/拡張期/平均肺動脈圧、収縮期右室圧、右房圧、心拍出量、静脈血酸素飽和度、肺動脈酸素飽和度)、運動負荷右心カテーテル検査(肺動脈楔入圧、平均肺動脈圧、収縮期肺動脈圧、右房圧、心拍出量)、予後情報(全死亡、心臓死、心不全入院)

予想される不利益(負担・リスク)及び利益

本研究により対象者となった患者さんが直接受けることができる利益はありませんが、将来研究成果は運動負荷診療の一助になり、多くの患者さんの診断と健康に貢献できる可能性があると考えています。本研究はすでに実施された診療録中の診療情報を用いるので、この研究のために身体的、精神的負担などの不利益を被ることはありません。

個人情報の管理について

群馬大学の情報は大阪大学に提供しますが、個人を特定できる情報を削除し送信します。本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。

試料・情報の保管及び廃棄

この研究により集めた情報は、個人が特定できないデータに変換し(これを匿名化といいます)大阪大学大学院医学研究科循環器内科でPCにパスワードロックがかかる状態で保管します。大阪大学での情報の管理責任者は大阪大学 外海洋平です。群馬大学のデータに関しては群馬大学医学部附属病院循環器内科スタッフ室のPCにパスワードロックがかかる状態で保管します。群馬大学の情報管理責任者は小保方優です。研究終了後、個人情報の加工した情報は10年間保存し、保存期間が終了した後に個人を識別できる情報を取り除いた上で、データ抹消ソフトもしくはシュレッダーで廃棄いたします。

情報の将来の研究使用の可能性について

この研究によって集めた情報は、現時点では特定されない将来の研究のために用いる可能性があります。その場合には、改めて研究計画書を作成又は変更し、必要に応じて審査委員会の承認を受け、医学部長の許可を得たうえで使用させていただきます。内容は現時点で決まっておりませんが、二次利用する場合にはホームページで公開させていただきます。

研究成果の帰属について

この研究により得られた結果が、特許権等の知的財産を生み出す可能性があります。その場合でも、特許権等は研究者もしくは所属する研究機関に帰属することになり、あなたにこの権利が生じることはありません。

研究資金について

本研究は、研究代表者(小保方優)の研究費にて行います。

利益相反に関する事項について

研究グループが公的資金以外に製薬企業などからの資金提供を受けている場合に、臨床研究が企業の利益のために行われているのではないか、あるいは臨床研究の結果の公表が公正に行われないのではないか(企業に有利な結果しか公表されないのではないか)などといった疑問が生じることがあります。これを利益相反(患者さんの利益と研究グループや製薬企業などの利益が相反している状態)と呼びます。この研究の利害関係については、群馬大学利益相反マネジメント委員会の承認を得ております。また、この研究過程を定期的に群馬大学利益相反マネジメント委員会へ報告などを行うことにより、この研究の利害関係について公正性を保ちます。また、多機関共同研究機関などにおいては、各機関で定められた規定に基づき、本研究に係る利益相反に関する状況について必要な手続きを行います。

「群馬大学 人を対象とする医学系研究倫理審査委員会」について

この研究を実施することの妥当性や方法については、多くの専門家によって十分検討されています。群馬大学では人を対象とする医学系研究倫理審査委員会を設置しており、この委員会において科学的、倫理的に問題ないかどうかについて審査し、承認を受けています。

研究組織について

この研究を担当する研究代表者、研究責任者、研究分担者は以下のとおりです。

研究代表者

所属・職名:群馬大学医学部附属病院循環器内科・講師
氏名:小保方 優
連絡先:027―220―8145

共同研究機関

研究責任者

所属・職名: 大阪大学大学院医学研究科循環器内科・教授
氏名: 坂田 泰史
連絡先: 大阪府吹田市山田丘2-2
Tel:06-6879-3640

研究対象者の権利に関して情報が欲しい場合あるいは健康被害が生じたときに連絡をとるべき相談窓口について

研究対象者がこの研究および研究対象者の権利に関してさらに情報が欲しい場合、または研究対象者に健康被害が発生した場合に、研究対象者が連絡をとる担当者は下記のとおりです。何かお聞きになりたいことがありましたら、どうぞ遠慮なくいつでもご連絡ください。
試料・情報を研究に用いることについて、対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡下さい。研究対象者とならない場合でも不利益が生じることはありません。

問合せ・苦情等の相談窓口(連絡先)

所属・職名:群馬大学医学部附属病院循環器内科・講師
氏名:小保方 優
連絡先:027―220―8145

上記の窓口では、問合せ・苦情等の他、次の事柄について受け付けています。

  1. 研究計画書および研究の方法に関する資料の閲覧(又は入手)ならびにその方法
    ※他の研究対象者の個人情報および知的財産の保護等に支障がない範囲内に限られます。
  2. 研究対象者の個人情報についての開示およびその手続(手数料の額も含まれます。)
  3. 研究対象者の個人情報の開示、訂正等、利用停止等について、請求に応じられない場合にはその理由の説明
  4. 研究対象者から提供された試料・情報の利用に関する通知
    ①試料・情報の利用目的および利用方法(他の機関へ提供される場合はその方法を含む。)
    ②利用し、または提供する試料・情報の項目
    ③利用する者の範囲
    ④試料・情報の管理について責任を有する者の氏名または名称
    ⑤研究対象者またはその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される試料・情報の利用または他の研究機関への提供を停止すること、およびその求めを受け付ける方法
月間アーカイブ
PageTop