通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

経カテーテル大動脈弁植込み術症例における大動脈弁狭窄症の病型ならびにその予後に関する調査

大阪大学医学部附属病院循環器内科では、標題の臨床研究を実施しております。
本研究に関する問い合わせ、または研究への参加を希望しない場合は、下記担当者までご連絡をお願 いいたします。
本研究の概要は以下のとおりです。

1. 研究の意義・目的

 大動脈弁狭窄症は、大動脈弁が石灰化狭窄をきたす進行性の疾患です。狭窄の程度が重症になると、 心不全などを生じるようになるため、手術による大動脈弁置換術などの治療を行う必要があります。近年、 高齢の方や手術が難しい患者さんに対してカテーテルにより大動脈弁置換術を行う、「経カテーテル第度 脈弁植え込み術」が行われるようになり、これまでは手術を受けることができなかった重症な患者さんにも 治療の選択肢が広がりつつあります。しかし、日本で現在この治療を受けておられる大動脈弁狭窄症の患 者さんの治療前の大動脈弁狭窄症の病態や、治療後の経過については明らかになっていません。この研 究では、大動脈弁狭窄症の病態は心エコー検査で評価することが一般的ですが、治療前の心エコー検査 の結果などから日本で治療を受けている患者さんの病態がどのようなタイプが多いのか、治療後の経過と 治療前の心エコー検査の所見に関連があるかどうかを明らかにすることを目的としています。
 この研究は、日本心エコー図学会の学術プロジェクトとして、筑波大学附属病院を代表施設として日本国 内の複数の施設で行う研究です。

2. 研究対象

 当院にて2015年1月1日から2019年3月31日までの間に経カテーテル的大動脈弁植え込み術が行われた患者様が対象となります。

3. 研究期間

倫理審査委員会承認後 〜 2024年12月31日まで

4. 研究機関名・研究者名

代表機関: 筑波大学附属病院 循環器内科 (研究責任者: 家田真樹 循環器内科 教授)
共同研究機関:

  • 心臓病センター榊原病院: 林田晃寛
  • 山形大学医学部付属病院: 渡邉哲
  • 山口大学医学部付属病院: 和田靖明
  • 獨協医科大学病院: 伊波 秀
  • 大阪大学医学部付属病院: 坂田泰史
  • 国立循環器病研究センター: 泉 知里
  • 広島市立広島市民病院: 正岡佳子
  • 北海道大学病院: 岩野弘幸
  • 宮崎郡医師会病院: 渡邊 望
  • 神戸市立医療センター中央市民病院: 北井 豪
  • 徳島大学病院: 楠瀬賢也
  • 兵庫県立姫路循環器病センター: 大西哲存
  • 聖マリアンナ医科大学: 出雲昌樹
  • 旭川医科大学病院: 赤坂和美
  • 島根大学医学部附属病院: 田邊一明
  • 自治医科大学: 原田顕治
  • 日本海総合病院: 菅原重生
  • 岩手医科大学附属病院: 熊谷亜希子
  • 伊勢赤十字病院: 高村武志
  • 榊原記念病院: 馬原啓太郎
  • 鹿児島大学病院: 堀添善尚
  • 名古屋市立大学: 瀬尾由広
  • 大分大学: 福田智子

5. 研究の方法

本研究の対象となる患者さんは、当院で過去に経カテーテル的大動脈弁植え込み術が行われた患者さんです。対象患者さんの診療情報・検査所見を電子カルテから抽出し、そのデータをもとに解析を行います。特に、治療前と治療後の心エコー検査結果を詳細に解析します。治療後の外来での治療経過についても診療情報の収集を行います。従って本研究のため追加の検査や治療が追加されることはありません、 また、データは匿名化することで個人情報は消去いたします。情報が外部に漏れないように厳重に管理、 保管し、研究成果が公表される場合にも個人が特定されないように取り扱います。
通常の診療記録から得られる診療内容のみを使用する研究ですので、患者さま一人ずつの直接の同意は頂かずに、この掲示などによる患者さまへのお知らせをもって実施されます。

6. 試料・情報の項目

  1. あなたの年齢、性別、既往歴、内服薬
  2. 術前に施行された各種検査結果(採血・心電図・心エコー検査結果など)
  3. 術後に施行された各種検査結果(採血・心電図・心エコー検査など)
  4. 治療後の外来での治療状況、症状、入院の有無などの診療情報

7. 試料・情報の第三者への提供について

本研究は、当院を代表施設とする日本国内の 22 施設が参加する共同研究となります。収集された 情報は個人が特定されないように匿名された状態で、参加施設のみがアクセス可能な専用のデータ ベースで管理を行います。

8. 試料・情報の管理について責任を有する者

大阪大学医学部附属病院 循環器内科 竹田 泰治

9. 本研究への参加を希望されない場合

患者さんやご家族が本研究への参加を希望されず、試料・情報の利用又は提供の停止を希望される場合は、主治医に直接お申し出いただくか、下記の問い合わせ先へご連絡ください。すでに研究結果が公表されている場合など、ご希望に添えない場合もございます。

10. 問い合わせ連絡先

大阪大学医学部附属病院 循環器内科助教 竹田 泰治
〒565-0871 吹田市山田丘 2-2
電話番号:06-6879-3640 (循環器内科医局、平日10:00~17:00)

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