通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

心臓MRIによる移植後心の経時的慢性炎症評価法の開発研究

1.研究の対象

大阪大学医学部附属病院で1997年以降に脳死下心移植を受けた全ての患者さん、及び研究開始後、新たに心移植を受けた患者さんを対象とします。ただし未成年の方やMRI撮像が禁忌の方は対象となりません。

2.研究目的・方法

脳死下心移植において、近年免疫抑制療法が進歩したことにより移植後急性期の予後は大きく改善したため、現在は移植後冠動脈病変や拒絶反応による慢性心筋炎症が予後を左右しています。それら移植後冠動脈病変や心筋の拒絶反応の評価には、以前からカテーテルによる心筋生検が標準的ですが、侵襲が大きいという短所があります。一方最近になり心臓MRIの解析技術が急激に進歩し、心筋の炎症や線維化、および構造的変化を定量的に計測出来るようになりました。本研究では心移植後に連続的に心臓MRIを用いて心筋の炎症や線維化、微細な構造的変化などを連続して定量評価し、心筋生検の代用となりうる非侵襲的な心筋評価法を開発することを目的としています。
当院での心移植後のプロトコルとして、定期的に心筋生検を含めた心臓カテーテル検査を目的とした入院をしていただく時期があります。それに合わせて心臓MRI検査を実施し、心臓の炎症や線維化、微細な構造的変化および心腔内のエネルギーを測定いたします。

研究期間:承認日から2023年 3 月 31 日

3.研究に用いる試料・情報の種類

  • 試料:血液
  • 情報:年齢、性別、電子カルテ日常診療記録、検査結果、カテーテル検査結果、心筋生検結果、心臓MRIデータ、予後など

4.外部への試料・情報の提供

臨床試験参加により収集しました心臓MRIデータのうち、4D flowデータのみ共同研究機関である大阪大学大学院基礎工学研究科 和田研究室と共有し、共同で解析を行います。データの提供は、個人情報を除去し特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。
臨床試験参加により収集しましたデータは、氏名等の個人情報を削り、代わりに新しく符号又は番号をつけて匿名化を行います。研究対象者とこの符号(番号)を結びつける対応表は、外部に漏れないように厳重にセキュリティー対策を施した電子媒体にて保存しています。

5.研究組織

  • 代表研究機関
    大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座 教授 坂田泰史
  • 共同研究機関
    大阪大学大学院基礎工学研究科和田研究室 教授 和田成生

6.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

 照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
  大阪府吹田市山田丘2-2
  大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座
  大阪大学 キャンパスライフ健康支援センター
   助教 井手 盛子
   TEL 06-6879-3640

 研究責任者:
  大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座 教授 坂田泰史

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