通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

循環器疾患診療実態調査(JROAD)のデータベースと CRT 患者の予後に関わる因子に関する研究

当院で両室ペーシング機能付き植込型除細動器移植術、両心室ペースメーカー移植術を受けられた患者さん・ご家族様へ

研究へのご協力のお願い

当院では、以下の臨床研究を実施しております。この研究は、日常診療で得られた以下の診療情報を研究データとしてまとめるものであり、ご自身またはご家族の健康に関する新たな結果が得られるものではありません。また、研究のために、新たな検査などは行いません。この案内をお読みになり、ご自身またはご家族がこの研究の対象者にあたると思われる方で、ご質問がある場合、またはこの研究に診療情報を使ってほしくないとのご意思がある場合は、遠慮なく下記の担当者までご連絡ください。お申し出による不利益は一切ありません。
ただし、すでに解析を終了している場合には、研究データから情報を削除できない場合がありますので、ご了承ください。

対象となる方

2016年4月1日~2021年3月31日の間に、両室ペーシング機能付き植込型除細動器(CRT-D)移植術、両心室ペースメーカー(CRT-P)移植術を受けられた方

研究課題名

循環器疾患診療実態調査(JROAD)のデータベースとCRT患者の予後に関わる因子に関する研究(研究B:JROAD-DPCデータベースの二次調査によるCRT患者の予後に関する全国的調査研究(JPN-CRT研究))

研究責任者

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座教授 坂田泰史

研究の意義・目的

日本は急激な社会の高齢化に伴い心不全となる方が激増しています。日本における正確なデータはありませんが、心不全患者数は、2005年において約98万人であり、2030年には130万人に達すると推計されています。心不全が進行すると高率に心臓の電気の流れが障害され、心臓同期不全という心臓壁がバラバラに動く非効率的な状態となります(典型的には心電図で左脚ブロックという所見を認めるようになります)。心臓同期不全は心機能への悪影響を及ぼし、死亡率を増加させます。心臓同期不全に効果を有する治療薬は存在しません。CRT-D、CRT-Pによる心臓再同期療法(CRT)は心臓同期不全を改善させるために開発された心臓植込み型デバイス治療で、心不全悪化を防止あるいは心機能を向上させ、自覚症状や予後の改善をもたらすことから、心不全の標準治療となっています。しかし、30~40%の心不全はCRTに反応せず、様々な原因が想定されオプション機能の追加や工夫がなされていますが、日本においては全国規模の報告はなく十分ではありません。
本研究では、全国規模のデータベースである循環器診療実態調査(JROAD-DPC)のデータベースと各治療施設からの追加情報を用いて、CRT患者の診断・治療・予後における現状を把握することにより予後に関わる因子に関するエビデンスを構築することを目的としており、今後の治療に貢献できると考えています。

利用する診療情報

患者背景、各種検査所見(心電図、心エコー図、心臓核医学検査、CRTデバイス検査など)、研究期間中に起こった出来事(除細動器の作動、心不全のため入院、お亡くなりになるなど)とその日付

研究の実施体制

この研究は、他の施設と共同で実施されます。研究体制は以下のとおりです。

研究代表者

国立循環器病研究センター心臓血管内科部門不整脈科 草野研吾

診療情報の管理責任者

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座教授 坂田泰史

共同研究機関

別紙「共同研究機関および研究責任者」参照

本研究で収集した情報を、下記の施設で保管し、解析を行います。提供する際は、あなたを特定できる情報は記載せず、個人が特定できないように配慮いたします。

施設名及び研究責任者

国立循環器病研究センター心臓血管内科部門不整脈科 草野研吾

連絡先:06-6170-1070
提供方法:原則的にElectric Data Capture System (EDC)を用いますが、EDCを用いてデータを提供することが困難な場合は、紙媒体あるいは電子ファイル(エクセルファイルなど)を用います。紙媒体で情報を送付する場合は追跡可能な郵送方法、エクセルデータで情報を送付する場合はパスワードによる保護を行い電子メール、あるいは外部記憶装置に格納し、追跡可能な方法で提供します。

研究期間

研究許可日より2026年3月31日まで(予定)

個人情報の取り扱い

お名前、住所などの個人を特定する情報につきましては厳重に管理を行い、学会や学術雑誌等で公表する際には、個人が特定できないような形で使用いたします。

問合せ先

大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学講座 岡崇史
電話 06-6879-3640

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