通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

アミロイドーシス病型診断のためのウサギモノクローナル抗体開発

医学研究に関する情報公開および研究協力へのお願い

福井大学医学部病因病態医学講座分子病理学分野では、福井大学医学系研究倫理審査委員会の承認および医学系部門長の許可を得て、下記の医学研究を実施しています。
こうした研究では、対象となる方に関して既に存在する試料や情報、あるいは今後の情報や記録などを調査しますが、対象となる方にとって新たな負担や制限が加わることは一切ありません。
このような研究では、国が定めた倫理指針に基づき、対象となる方お一人ずつから直接同意を得るかわりに、研究の目的を含む研究の実施についての情報を公開することが必要とされています。
ご自身の情報や試料を研究に使用してほしくないという場合や利用目的の詳細など研究に関するお問い合わせなどがある場合は、以下の「問い合わせ窓口」へご照会ください。研究への参加を希望されない場合、研究データの解析前であれば、研究期間内にご連絡いただいた時点より対象から除外いたします。なお研究不参加を申し出られた場合でも、なんら不利益を受けることはありませんのでご安心ください。

福井大学病因病態医学講座分子病理学分野
承認日:2022年12月9日 Ver.1.0

研究課題名

アミロイドーシス病型診断のためのウサギモノクローナル抗体開発

研究期間

研究機関の長の許可日~2025年11月30日
利用または提供を開始する予定日 2024年7月

研究の意義・目的

全身性アミロイドーシスの代表的病型であるALκ、ALλ、ATTRアミロイドーシスを良好に鑑別できるウサギモノクローナル抗体を作成します。これらの抗体を日本国内はもとより全世界に配布することにより、病型診断のための免疫染色を標準化することが出来、一般病理施設でのアミロイドーシスの正確な病型診断が実現します。

研究の内容

1.研究の対象となる方

  1. 研究代表機関あるいは共同研究機関で1991年10月1日から2022年9月30日の間に病理解剖を受け、全身性AL, ATTR, AAアミロイドーシスと診断された方。年齢、性別は問いません。
  2. 研究機関の長の許可日~2025年11月30日にアミロイドーシスに関する調査研究班に病型診断の依頼があり、ALまたはATTRアミロイドーシスと診断された方。年齢、性別は問いません。

2.研究に用いる試料・情報

  1. 病理解剖で得られた組織未染色標本
  2. アミロイドーシスに関する調査研究班に病型診断の依頼があり、病型診断に使用されなかった組織未染色標本
  3. 患者イニシャル、性別、年齢、既往歴、現病歴、治療歴、既存抗体を用いた免疫染色で確定した病型

なお、研究成果は学会や雑誌等で発表されますが、個人を識別できる情報は削除し、公表しません。また、取り扱う試料・情報は厳密に管理し、漏洩することはありません。

3.研究の方法

  1. 1年に1種類のペースでウサギモノクローナル抗体を開発します。2022年度は抗トランスサイレチン115-124抗体、2023年度は抗κ鎖116-133抗体、2024年度は抗λ鎖118-134抗体を作成します。ジェンスクリプトジャパン株式会社に委託し、B細胞クローニング法で作成します。
  2. 全身性ALκアミロイドーシス、全身性ALλアミロイドーシス、全身性ATTRwtアミロイドーシス、全身性ATTRvアミロイドーシス、全身性AAアミロイドーシスの剖検症例各5症例を用いて、候補クローンのスクリーニングを行います。合わせて染色の至適条件を検討します。
  3. 研究班にコンサルトされ、既存のポリクローナル抗体で診断の確定したALκ 50例、ALλ 100例、ATTRwt及びATTRv 200例の残余未染色標本を、感度、特異度の最も高かった各モノクローナル抗体で染色し、各抗体の実用性を検証します。
  4. 共同研究機関同士の標本・臨床情報のやり取りは、匿名化した上で郵送にて行います。集計結果は、各研究機関で匿名化しエクセルファイルにまとめ、パスワードを付与した上でメールにて行います。

利益相反について

利益相反とは、外部との経済的な利益関係(資金提供など)によって、研究データの改ざん、特定企業の優遇など研究が公正かつ適切に行われていないのではないか(企業に有利な結果しか公表されないのではないか)と第三者から懸念されかねない事態のことをいいます。
この研究は、アルナイラム・ファーマシューティカルズAlnylam Pharmaceuticals, Inc.と共同研究を締結していることを福井大学臨床研究利益相反審査委員会に全て報告し、利益相反状態であると判定されています。このことを十分に認識した上で、公正に研究を遂行し、対象となる方に不利益になることや、研究結果を歪めることは一切いたしません。また、当該研究経過を定期的に福井大学臨床研究利益相反審査委員会に報告し、本研究の公正性・信頼性を保ちます。

研究計画書及び研究の方法に関する資料の入手・閲覧方法

本研究では、研究計画書及び研究の方法に関する資料に関しては、他の研究対象者等の個人情報及び知的財産の保護等に支障がない範囲内に限り入手又は閲覧が可能です。その入手・閲覧をご希望される際には下記「問い合わせ窓口」までご連絡下さい。

個人情報の開示等に関する手続き

本学が保有する個人情報のうち、本人の情報について、開示、訂正及び利用停止を請求することができます。詳しくは下記ホームページをご覧ください。

≪福井大学における個人情報保護について≫
http://www.u-fukui.ac.jp/cont_about/disclosure/privacy/

研究組織

1.研究代表機関および研究代表者

福井大学医学部 病因病態医学講座 分子病理学
教授 内木 宏延

2.共同研究機関等およびその研究責任者

アルナイラム・ファーマシューティカルズAlnylam Pharmaceuticals, Inc.
Senior Distinguished Investigator, Biology, David Erbe
熊本大学大学院生命科学研究部 脳神経内科学
教授 植田 光晴
信州大学医学部 脳神経内科
教授 関島 良樹
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 人体病理学
教授 大橋 健一
慶応義塾大学医学部 循環器内科
専任講師 遠藤 仁
国立循環器病研究センター 病理部
部長 畠山 金太
京都府立医科大学附属病院 病理診断科/人体病理学教室
講師 宮川 文
日本医科大学付属病院 病理診断科
准教授 堂本 裕加子
東京女子医科大学 病理診断科
講師 吉澤 佐恵子
東京都健康長寿医療センター 病理診断科
部長 新井 冨生

本学における研究責任者

分子病理学 教授 内木 宏延

本研究に関する問い合わせ窓口など

問い合わせ窓口

研究事務局:福井大学医学部病因病態医学講座分子病理学分野
〒910-1193 福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
電話:0776-61-3111(内線2237)
FAX:0776-61-8123
E-mail:amyloid@med.u-fukui.ac.jp

ご意見・苦情窓口

〒910-1193
福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3
福井大学医学部附属病院医学研究支援センター
電話:0776-61-8529
受付時間:平日8:30~17:15(年末年始、祝・祭日除く)

当院における問合せ先

大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 世良英子
住所:〒565-0871 大阪府吹田市山田丘 2-2
電話番号:06-6879-3472

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