通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い実施をします。臨床研究のうち、患者さまへの侵襲や介入もなく診療情報等の情報のみを用いた研究や、余った検体のみを用いるような研究については、国が定めた指針に基づき、対象となる患者さまのお一人ずつから直接同意を得る必要はありませんが、研究の目的を含めて、研究の実施についての情報を公開することが必要とされております。

このような手法を「オプトアウト」と言い、当科での一部の臨床研究をオプトアウトの手法で行っています。

ご自分の記録について当該研究で使うことを望まれない方については、その方の記録や情報を用いずに研究を実施いたしますので、研究への協力を希望されない場合は、下記文書内に記載されている各研究の担当者までお知らせください。

近赤外線分光法血管内超音波および光干渉断層撮影によるCoroflex ISAR Neoステント留置後における血管内性状に関する研究

1.研究の対象

  • 倫理委員会承認後研究機関の長の許可後から2023年12月までに当院で冠動脈多枝病変(治療必要箇所が複数存在)に対してCoroflex ISAR Neoステントによるカテーテル治療を予定された患者さん
  • 2018年8月以降に当院で、「血管内視鏡と光干渉断層撮影による薬剤コーテッドステントと薬剤溶出性ステント留置後における血管内性状の比較研究」または「光干渉断層撮影と血管内視鏡によるCOMBOステントとOrsiroステント留置後における血管内性状の比較研究」に参加いただいた患者さん

2.研究目的・方法

本研究では、冠動脈多枝病変に対してCoroflex ISAR Neoステントを用いて治療を予定している患者さんを対象としています。初回カテーテル治療時、残枝に対するカテーテル治療時、および初回カテーテル治療を実施してから約12ヶ月時点で行うフォローアップ冠動脈造影検査の時に光干渉断層撮影および血管超音波を用い留置されたステントを詳細に評価します。また、Coroflex ISAR Neoステントのこれらのデータを、過去の研究である「血管内視鏡と光干渉断層撮影による薬剤コーテッドステントと薬剤溶出性ステント留置後における血管内性状の比較研究」または「光干渉断層撮影と血管内視鏡によるCOMBOステントとOrsiroステント留置後における血管内性状の比較研究」に参加同意を既に得た患者さんのデータと比較を行います。得られたデータによって、将来同様の病気で治療を受ける方に対して適切な治療法選択が可能となることを目的としています。

3.研究に用いる試料・情報の種類

  • 患者背景:疾患名、年齢、性別、身長、体重、服薬状況等
  • 併存疾患:高血圧、脂質異常症、喫煙、糖尿病、慢性腎不全、心筋梗塞、心不全等
  • 検査データ:血液検査データ、心臓カテーテル検査データ(血管内超音波および光干渉断層撮影を含む)等
  • 治療データ:心臓カテーテル治療データ(血管内超音波および光干渉断層撮影を含む)等
  • 追跡データ:治療後の生存、急性心筋梗塞、再治療の施行等

なお、必要な情報のみを統計資料として集計しますので、患者さんのお名前など個人を特定できる情報が明らかになることはありません。

4.外部への試料・情報の提供

データセンターへのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は、当院の研究責任者が保管・管理します。

5.資金源および利益相反について

この研究は、医師主導型の臨床研究であり、研究費は大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学の奨学寄付金で賄います。
我々は、本研究に使用するカテーテルを製造販売するアボットメディカルジャパン合同会社から、奨学寄附金と、本研究とは異なる研究の資金を受入れています。また、同じく本研究に使用するステントを製造販売するニプロ株式会社からも、本研究とは異なる研究の資金を受入れています。なお、これらの企業は、本研究の企画・立案、結果の解釈、データ収集、データマネジメント、統計解析、モニタリング等の研究実施には直接関与しません。さらに研究者がこれらの企業に研究に用いられる情報を提供することもありません。
研究を行うときにその研究を行う組織あるいは個人(以下「研究者」という。)が特定の企業から研究費・資金などの提供を受けていると、その企業に有利となるように研究者が研究結果を改ざんあるいは解釈したり、また都合の悪い研究結果を無視するのではないかという疑いが生じます。(こうした状態を「利益相反」といいます。)
この研究における利益相反は、大阪大学大学院医学系研究科・医学部臨床研究利益相反審査委員会による審査を受け、承認を得ています。我々はその審査結果に基づき、利益相反を適正に管理して研究を行います。

6.研究組織と研究責任者

大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 溝手勇
大阪急性期・総合医療センター 心臓内科 菊池篤志
国立大阪医療センター 循環器内科 家原卓史
大阪労災病院 循環器内科 岡本直高
関西労災病院 循環器内科 石原隆行
久留米大学 心臓血管内科 板家直樹
東大阪医療センター 循環器内科 市川稔
大阪警察病院 循環器内科 市堀泰裕

6.お問い合わせ先

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先

大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2番2号
電話番号 06-6879-3640
研究責任者 溝手 勇

研究代表者

大阪大学大学院医学系研究科 循環器内科学 溝手 勇

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