ヒドロキシクロロキン(HCQ)による不整脈・心筋症のリスクを臨床・基礎研究の両面から解明

Clinical and Experimental Insights into Hydroxychloroquine-Associated Electrical Abnormalities and Cardiomyopathy

https://academic.oup.com/ehjcvp/advance-article/doi/10.1093/ehjcvp/pvag063/8769872?searchresult=1

ヒドロキシクロロキン(HCQ)は、マラリアや自己免疫疾患の治療に広く使用されている薬剤ですが、心臓への副作用については十分に認識されていません。本研究では、HCQを服用した261名の患者さんの臨床データを解析するとともに、iPS細胞由来心筋細胞を用いた実験を行い、HCQによる心毒性の特徴と発症メカニズムを検討しました。その結果、HCQ投与中に心電図上のQT間隔やPR間隔が有意に延長することが確認されました。また、一部の患者さんでは、心不全や伝導障害などの臨床的に重要な心毒性が認められました。さらに、iPS細胞由来分化心筋細胞にHCQを曝露すると、不整脈を示す電気的異常や収縮機能の低下がみられ、患者さんで観察された異常を再現することができました。電子顕微鏡解析では特徴的な細胞内構造の変化が認められ、オートファジー(細胞内の不要物を分解する仕組み)の障害が関与している可能性も示されました。本研究は、HCQが電気的異常や心筋症を引き起こす可能性を臨床的・実験的に示したものであり、HCQ治療中の適切な心機能モニタリングの重要性を示唆しています。

本研究は、兵庫県立西宮総合医療センター志波幹夫先生、大阪大学大学院工学研究科劉莉先生との共同研究として実施されました。

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