機能喪失型TGFBR1バリアントを有するLoeys-Dietz症候群における一過性左室機能低下
Transient Left Ventricular Dysfunction in Loeys–Dietz Syndrome with Loss-of-Function TGFBR1 Variants
https://www.jacc.org/doi/10.1016/j.jaccas.2026.108608
Loeys–Dietz 症候群(LDS)は、血管病変や弁膜症を特徴とする常染色体顕性遺伝性結合組織疾患です。主要な原因遺伝子の一つである TGFBR1 は、TGF-βシグナルの制御を通じて疾患の進展に関与すると考えられていますが、左室収縮機能との関係については十分に明らかになっていません。本研究では、TGFBR1 バリアント(p.Asp400Gly、p.Leu196Pro)を有する Loeys–Dietz 症候群の2症例を報告しました。いずれの症例においても、一過性の重度の左室収縮機能低下が認められましたが、薬物療法の最適化により改善しました。右室心筋生検標本の病理組織学的解析では、間質および血管周囲の線維化は軽度であることが確認されました。また、機能解析の結果、両バリアントにおいて TGF-βシグナル活性の低下が認められ、さらに TGFBR1‑Asp400Gly ではタンパク発現量の低下が示されました。一過性の心機能低下を伴う臨床経過は、Loeys–Dietz 症候群症例に対する心不全管理や治療戦略を検討する上で重要な知見を提供するものと考えられます。





